10月1日より、消費税が10%になりました。
昨年の今頃は消費税上げをなんとか阻止しようと、ネット上では様々に増税の弊害を唱えていたニュースや記事がかなり散見されましたが、政府が消費税の増税を予定通り上げることを決めてからは、次第に増税反対の声も小さくなっていったような気がします。
このブログでも「消費税増税は本当に必要なんだろうか?」という記事を4記事あげていましたが、その他のニュースや様々なことに時間を取られてしまい、続きが書けていませんでした。
ですが、今後の日本の運命において税金はかなりのポイントになると思われます。なので情報利用的には遅きに失してますが、記事の続きを書ききり、それらの記事が今後の増税(もしくは減税)をする際に考える材料になれればと思っています。
前回の記事を貼りつけたので参考にしてください。
www.aitosatori.com
前回④の記事の結論として
1、日本のGDP成長率は世界各国の中でも最低である
2、GDPの成長率と「税収」「所得」はある程度の相関関係にある
3、税収を増やしたいのであれば、「消費税」を増税するよりは、経済成長すなわちGDPの成長をこそ目指すべきである。
という3つが結論でしたが、ではGDP(経済成長)を増大させるためにはどうしたらいいのでしょうか?
GDPの説明をすると様々な解説をすることが可能なため、ざっくりとわかりやすく書くとすると以下のような説明になります。
GDPとは「Gross Domestic Product」の頭文字を取った「国内総生産」のことであり、
国内で1年間に生み出された生産物やサービスの総和のことです。
GDPの内訳としては、
1、個人消費
2、企業の設備投資
3、政府支出
4、純輸出
の4種類があり、ここ数年間で日本でもだいぶ広まってきたのが、「日本におけるGDPの内訳としては個人消費が6割を占めている」という事実です。
ですので、GDPを成長、増大させるには「個人消費」がキーポイントになると思われます。
ところが、個人消費の成長を阻害させる要因が「消費税」なのです。
よく「消費税を上げると買い控えが起きて、景気が冷え込む」というセリフが聞かれますが、それでもその「買い控えのブレーキパワー」を甘く見積もっているのが、国会議員であり、財務官僚であり、経済学者であり、マスコミであり、経済団体のお偉方なのです。
おそらく彼らは、今の日本人の平均年収と比較すると結構な高収入になるため、「買い控えなどしない」からです。つまり(収入が低い)庶民の気持ちなど実感できないために「消費税の影響は小さいに違いない」と思い込んでいると思われます。
「買い控え」という抽象的な言葉をもう少し具体化したいと思います。
例えば・・・
・買い替えスパンが10年単位の物(家電・車等)があったとします。それを消費増税を契機に15年~20年に延ばすなどです。
・1000円の商品をランクを落とし、800円くらいの安くて品質が落ちる商品に移行するなどです。
・生活費にかかるお金で、使わなくても死なない物やサービスを止めたりすることです。(たとえば入浴剤を入れるのを止めるなど)
・(景気が悪くなると見越して)夫婦のお小遣いを減らすなど。
・子供の習い事を止める、お小遣いを減らすなど
・親への仕送りを減らす
・町内会の回覧板で回っていた、地元のお祭りや、催事などの寄付を止める
ちなみに私事ですが、自分の乗っている車が現在10数万キロにメーターが進んでおり、3年後くらいに新車に乗り換えようかと検討していましたが、消費増税が上がったこともあり、予定を変更し「壊れるまで乗る」ことに決めました。
新車の予算は250万円前後を予算として考えていました。(これぞ買い控え!)
こういう「買い控え」を消費税を導入しようとしている人たちは、おそらくしないのではないかと思います。(なぜなら買い控えをしなくても家計に影響がないほどの収入と資産があるからです)
ですが、消費税導入派の中には「他国の中には消費税を導入しても経済が停滞せずにGDPが成長している国もある」として「だから日本も大丈夫」と主張している人たちもいます。
これについては、過去の「消費税増税は本当に必要なんだろうか?」の①~④の中で述べたように、消費税の導入以来、日本のGDP(他国が成長している中)は横ばいとなっており、サラリーマンの所得も下がっているのが本当のところです。
ではなぜ他国は消費税を導入しているのにも関わらずGDPが成長し、日本だけがダメなのでしょうか?
これについては、元日銀副総裁で経済学者の岩田規久男氏によると「それだけ今の日本が貧しくなってしまったから」だそうです。
つまり消費税の増税分を、買い控えなど気にせずに買い物ができるだけの「資産と収入」があれば問題はないのです。
もし日本人の平均的な収入が高ければ、消費増税もまるで影響なく買い物をするので、経済も順調に伸び、かつ税収も堅実に伸びるのは間違いありません。
ところが、今の日本は消費増税の影響が「モノやサービスが買えない・買わない」という選択になるために、「個人消費」は増えず、結果「給料も増えず」「税収も伸びない」という負のスパイラルに陥っているのです。
これも私事ですが、2~3年前に自分の兄とスーパーで買い物をしていた時のことです。兄は今の会社に転職する前は割と給料の良い会社に勤めていたことがあり、その時は「スーパーで買い物する時に財布の中身を気にせずに、かごに好きな物をどんどん入れていた」と話していたのを聞いて驚いたことがありました。
つまり給料が良いので買い控えをする必要がなかったのでしょう。
ここで話を原点に戻して考えてみたいと思います。
消費増税導入派の主張で、消費税を上げる主な理由はというと、
1、社会保障費の増大
2、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の健全化
3、国には1000兆円以上の借金があるので、このままでは日本が破綻するから
この3つが消費税を上げる主な理由ですが、次回のブログではこの3つの問題点を、私が購入した学者や評論家の本ではどのように反論しているのかを述べていきたいと思います。
⑥に続きます。