この話しは私の親しくしている友人のT子さんから聞いたエピソードで、彼女が中学一年生の頃の出来事です。
T子さんは二人姉妹の次女で、実家は自営業を営んでいました。
ある日、T子さんが学校から帰り、自分の部屋のベッドで横になってくつろいでいると、ふとどこからか赤ん坊の泣き声が聞こえてきました。
自分の家には当然赤ん坊がいるわけもなく、また近所の家にもそんな小さな赤ん坊がいそうな家はなかったと、T子さんはその時そう思ったそうです。
しかも赤ん坊の泣き声は、耳の鼓膜を通して聞こえて来るという感じではなかったそうなのです。
そして、なぜかT子さんはその赤ん坊が、自分の足元辺りにいるように感じたのでした。
そして次の日も同じように、自分の部屋で赤ん坊の泣き声を聞いたT子さんは、同じクラスの友達にそのことを話してみたのです。
すると、その子は「自分の知り合いに霊能者がいるから見てもらったら?」と言ってきたので、母親にそのことを話すと「じゃあ二人でその霊能者の所へ行って見てもらおう」ということになりました。
その霊能者はどの町にも一人くらいはいそうな感じの人で、それほど怪しそうな人ではなかったそうです。
T子さんとその母親は、さっそく数日前の赤ん坊の泣き声のことをその霊能者に話してみました。
するとその霊能者はジーッとT子さんとお母さんの二人を、何かを見透かすようにしばらく凝視すると…
「男の人の姿が見える…その人は井戸が原因で亡くなっているように感じますが、親戚にそのような人はいないでしょうか?」
するとT子さんの母親は心当たりがあるらしく驚いたのでした。
さらに霊能者が二人を凝視すると、
「赤ん坊の姿が見える…失礼ですが、お母さんは以前堕胎をされたことがありますか?」
するとT子さんの母親は、驚くと同時に明らかに動揺しだしたそうなのです。
ですが、心の中まで見通すような霊能者と、T子さんの自分を見つめる目を前にして、母親は観念したように、次のようなことを話すのでした。
実は数年前にT子さんの母親は妊娠していたのです。
ところが家が洋服屋を経営していて、自身も店の手伝いをしていて忙しかったために、妊娠しているのがわかっても産む決意が出来ず、結局はやむなく中絶をしたのでした。
T子さんは母親からそのような話しを聞くのは初めてであり、「まさか数年前にそんなことがあったなんて!」という思いだったそうです。
(小学生くらいだと、そう簡単に親の妊娠に気がつくということはないのかもしれません)
T子さんが聞いた赤ん坊の泣き声は、数年前に中絶された赤ん坊(胎児)の泣き声だったのでしょうか…
そして、霊能者の勧めにより、供養とお祓いをすると、その後は赤ん坊の泣き声が聞こえてくることはなくなったそうです。
以上ですが、T子さんは少し霊感があるみたいで、時々金縛りにあったりもするようです…。

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