今回のアルバイト体験記は、高卒フリーター時代の3番目にやったガードマンです。
ガードマンというイメージは、どちらかというと、施設警備みたいなイメージもありますが、自分の場合は主に、道路工事の片側交互通行での誘導が半分くらい。あとの半分は、大規模宅地造成のダンプ誘導、建設現場前の車両誘導、
ホームセンターでのクルマ誘導などです。
ガードマンをやってみようと思った理由は、ズバリ日給が良かったからです。1日8時間の仕事で10000円の日給がもらえました。そして噂によると、依頼主は1日に2万円払っているようなのです。つまり、○○警備会社の取り分が1万円で、現場のガードマンに1万円払っているようでした。
そして、給料が週払いなのも魅力でした。
あと、パッと見、仕事自体は楽そうに見えたのも選んだ理由です。
ただしガードマンという仕事は、どうも犯罪歴がある人はなかなか就けない決まりがあるみたいです。やはり一応警備という仕事柄なのかもしれません。ただ詳しくはわかりませんが時効なんかはあるかもしれませんが。
そして、勤務に就く前に研修などもありました。教室みたいなところで、資格を持っている講師の話しを聞いたり、実際に赤い誘導灯を持って笛を吹きながら、クルマを誘導する動きなどを練習したのです。
誘導灯を動かす動きは、割と単純なのですが、妙に気恥ずかしい感じがしました。
そして研修が修了すると初勤務です。勤務する場所は、本部のようなところがバイトの自宅から程よい距離の場所を振り分けてくれます。自分の初勤務の現場は自転車で25分くらいの距離の道路工事でした。
初勤務では確か若くて可愛い女の子のバイトと一緒だったような記憶があります。ガードマンというイメージが男の仕事というイメージがあった自分としては、「こんなに若くて可愛い子がいるのか!」と密かに喜んだのですが、それ以後はその子と一緒になることもなく、また若い女性は本当にマレにしかいないという現実を思い知らされることになりました。
そして初めての現場は、道路工事の片側交互通行のクルマ誘導です。片側1車線を40メートルくらい封鎖して、それぞれ1車線ずつのクルマを交互に止めて、交互にクルマを通らせます。
最初は、アタフタしてしまい、うまくクルマを止めることができませんでした。なにより「自分の誘導灯での合図でクルマは止まってくれるものなんだろうか?」という疑念が湧いてしまい、動作が優柔不断になってしまったのです。
ですが、1時間もすると慣れてきて、クルマを止めるのも流すのもなんとか出来るようになりました。
そして次第にガードマンの指示通りに止まってくれるクルマと、そうでないクルマがわかってきました。
ガードマンの指示通りに止まってくれるクルマは、かなりの確率で、中年の女性が運転している軽自動車です。
そしてガードマンの指示を無視して走り抜けようとするのは、スポーツカー、ベンツ、ダンプカーなどです。
ちなみに黒のベンツは、○○○が乗っている割合が高いので、あえて止めるのをやめようというガードマン仲間が多かったです。
ちなみに、道路工事のクルマ誘導の仕事でも難易度があります。
一番簡単なのが、片側1車線の道路工事での交互通行です。ガードマン用語で「片交(かたこう)」と呼ばれています。
ただし、工事現場付近に信号があると少し厄介になります。活字だけだと説明しづらいのですが、信号があるとその道路から車両が出てくる為に止めるタイミングとかが難しいのです。
同じような理由で十字路での工事現場も難しいので、ガードマン仲間のうちでは嫌われる現場です。
また、直線道路でもたまに1000メールを超えるような長い距離の工事現場があり、当然信号は複数あり、ガードマンもそれに合わせて人数が増えます。相方の姿が見えない距離になるので、トランシーバーを使用します。
距離が長ければ当然一般車両も多くなり、中には、工事現場の真ん中で立ち往生するクルマも出て来るために、かなりの修羅場になることもあります。
逆に楽な現場は、建設現場前で資材などを搬入してくるトラックや社用車などの誘導です。
または、ホームセンターの駐車場内でのクルマ誘導です。
ここで、今後アルバイトでガードマンをしてみようとする人への注意点があります。
それは、ガードマンをするには「クルマを日頃から運転している」という人でないと苦労するということです。
自分は当時免許さえ持っていませんでした。
それでも特に問題はないだろうと思っていたのですが…。
実際にクルマを誘導してみると、「クルマを運転する人の気持ちや、クルマがどういう動きをするのか想像できない」ために、誘導自体も的確な誘導ができないことに気づきました。
例えば実際にあった例として、あるホームセンターでの現場でのことです。
お客様のクルマがホームセンターの出口からバックで出ざるを得ない状況がありました。
自分はクルマの後ろにいて「大丈夫、オーライオーライ」とクルマを後方に誘導していたのですが…
ギッ、ギッ〜‼️
なんと、クルマの右側面のボディが出入口の門に擦れてしまい、細長い傷ができてしまったのです。
お客「あんた、大丈夫って言ったよな?」
自分「いや、クルマの後ろは大丈夫って意味で言ったんですよ」
お客「……………」
そのお客さんは50代後半くらいの男性でしたが、特にそれ以上何も言わずに去りました。
この一件は冷や汗ものでしたが、もしもっと怖そうなお客さんなら問題になっていたと思います。
クルマを運転したことのない自分は、クルマが、バックをする時にどの辺に気をつけるべきかがわからなかったのです。
なので施設警備の見廻りガードマンならともかく、クルマの誘導が必須になるガードマンの場合は、日頃からクルマの運転をしていることが条件になると言ってもいいと思います。(ただし求人の募集要項には要免許とは記載されていないこともあるでしょう)
あとガードマンの仕事で大変なポイントをいくつか挙げたいと思います。
道路工事での現場では、ズバリ、トイレに行けません。というか行きずらいです。たまに二人体制の現場で休憩時交代要因として3人配属されることがあります。そういう場合は問題ないのですが、人員を余分に配置してくれない場合もあるので、そういう現場では午前と午後に1回ずつ工事現場の人が短時間交代してくれます。
その時にトイレに行けたりするのですが、やはりそれ以外でもしたくなる時があるのです。
片側交互通行での現場でどうしてもしたくなった場合は、通行中のクルマから見られるのを覚悟して、道路脇とかでするしかありませんでした。(大体2.3回くらいはやった💦)
また、片交の時は当然走るクルマからしたらしばらく停止しているわけですが、急いでいるトラックなどはイライラして、高い運転席からガードマンに罵声を浴びせたり、唾を吐きかけるドライバーもいます。
また、普通の乗用車でも一旦指示通りに止まるフリをして、いきなりハンドルを切り猛スピードで走り抜ける人もいます。しかもその時の運転手の顔というと不敵なニヤニヤ笑いをしていたり…
正直、かなり屈辱的な感じを味わいます。
また、自分は当時自転車や電車で現場に通っていたのですが、昼食時が少し問題でした。
自分のクルマがある人はクルマの中で昼食を取ったりしていたと思うのですが、クルマのない自分はどこか適当な人目がない所を探して、持参していた弁当を食べていたのです。
ある冬の日の昼休み、住宅地の現場でしたが、公園などもなくどうしても適当な場所が見つからなかった為、仕方なく空っ風が吹く中、現場脇の住宅の壁に寄り掛かって、立ったまま弁当を食べざるをえなかったことがありました。
するとその家のご婦人だと思いますが、自分のあまりに惨めな昼食風景に見かねて、家の中に入って食べることを勧めてくれたのです。
ですが当時若かった自分は意地になって、固辞したのでした。
今思うと、見ず知らずの青年にそうやって声をかけてくれるなんて、ありがたいと同時に優しい人が世間にはいるんだなと思いました。
またガードマンの良いポイントとしては、現場がたまに早く終わったとしても、しっかり1万円もらえるということです。
中には1時間くらいで終了した現場も何回かありました。
もう一つの良いポイントは、毎回違うバイトの人と組むことが多いので、たまに気の合う人とも出会えて、その後友人関係になったりすることもありました。
最後の最後にガードマンの一番キツいことを言います。
それは、一日中立ちっぱなしなので、単純に、
足が痛い!
もう見た目以上に、
足が痛い‼️
第三者からすれば、立っているだけだから楽に見えるかも知れませんが、立ちっぱなしはそんなあまいものではありません!
どのような痛みか例えていうと、直径15センチの太い釘を、脳天から足先まで貫いて刺してあるような痛みです。
おそらく適度に歩行ができれば、そこまで痛くはならないと思います。現在の仕事も基本は立ち仕事なのですが、一ヶ所に立ちっぱなしではなく適度に歩く為、足が痛くはなりません。
そして正直、動かないで立ちっぱなしを一日中するくらいなら、10〜15Kmのランニングの方がはるかに楽だと思います。
体重が軽い人はもしかしたら全然大丈夫かもしれませんが、自分の場合は3〜4時間を超えるとキツく感じていました。
なので自宅に帰るとすぐに横になり、足に負担をかけないようにしていました。
あれからだいぶ年数が経ちましたが、道端でガードマンが仕事をしているのを見かける度に、心から「お疲れ様です!」という気持ちになるのです。

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